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株式会社を設立する場合の流れとは 設立にかかる費用についても解説

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株式会社は社会的信用が高い一方で、設立にあたっては法律で定められた多くの工程を正確にこなす必要があります。
本記事では、株式会社設立までの具体的な流れや必要な費用について解説します。
なお文中の意見に関する部分は筆者の私見であり、記載内容は一般的な目安を解説したもので法制度、経済環境により変更される可能性があることを、あらかじめ申し添えます。

株式会社設立にかかる時間

株式会社を設立するために必要な期間は、一般的に2週間から1ヶ月程度とされています。
これは、株式会社設立の手続きにおいて、会社の重要事項の決定や公証役場での定款認証、資本金の払い込みといった複数の工程が必要となるためです。
また、法務局に書類を提出してから、実際に登記が完了して履歴事項全部証明書が取得できるようになるまでには、さらに1週間から10日ほどの期間を要することを想定しておきましょう。

株式会社設立の流れ

会社設立の手続きは、以下の手順に沿って正確に進める必要があります。

  1. 会社の基本事項を確定する
  2. 定款を作成する
  3. 公証役場で定款の承認を得る
  4. 資本金の支払いを行う

それぞれ確認していきましょう。

手順①会社の基本事項を確定する

最初に行うのは、会社の骨組みとなる基本事項の決定です。
具体的には、以下のようなことを決める必要があります。

  • 商号
  • 事業目的
  • 本店の所在地
  • 資本金の金額
  • 設立時役員
  • 決算期

特に事業目的は、将来的に行う予定のある事業まで含めて記載しておくことが一般的です。
また、本店所在地については、賃貸物件をオフィスにする場合、契約上、法人登記が可能かを事前に確認しておく必要があります。
これらは後の定款に記載する重要な内容となるため、慎重に検討しましょう。

手順②定款を作成する

会社の基本事項が決まったら、定款を作成します。
定款には、絶対的記載事項として以下の内容を含めましょう。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称および住所

近年では、紙の定款ではなく、PDFファイルに電子署名を付与する電子定款を選択するケースが増えています。
電子定款を利用することで、紙の定款で発生する4万円の収入印紙代を節約できるというメリットがあります。

手順③公証役場で定款の承認を得る

株式会社の場合、作成した定款が正当なものであることを証明するために、公証役場で公証人による認証を受ける必要があります。
事前に公証人と内容の確認を行い、予約をした上で公証役場へ向かいます。
認証を受けることで、定款の内容が法的に確定し、後の登記申請に使用できるようになります。

手順④資本金の支払いを行う

定款の認証が完了したら、発起人の個人の銀行口座に資本金を振り込みます。
この時点ではまだ会社の口座がないため、発起人代表の口座を使用し、通帳のコピーの払い込みを証する書面として作成します。
資本金の払い込み後、すべての書類を揃えて法務局へ設立登記の申請を行います。
この書類を提出した日が、法律上の会社設立日となります。
登記申請は、法務局の窓口へ持参するほか、郵送やオンライン申請も選択可能です。

株式会社設立にかかる費用

株式会社の設立には、一般的に20万円から25万円程度の費用が必要となります。
主な内訳を確認しましょう。

費用①印紙代

定款を紙で作成した場合、印紙税法に基づき4万円の収入印紙を貼付する必要があります。 ただし、電子定款を選択した場合は、印紙代は不要となります。

費用②認証の手数料

公証役場で定款の認証を受ける際に支払う手数料です。
資本金の額によって異なりますが、一般的に3万円から5万円程度となります。
また、定款の謄本代として、別途数千円程度の費用も発生します。

費用③登録免許税

法務局へ登記申請を行う際に納める税金です。
株式会社の場合、資本金の額の0.7%となりますが、その額が15万円に満たない場合は、一律で15万円となります。
多くの小規模設立の場合、この15万円が登録免許税の基本額となります。

株式会社設立の際は税理士にご相談ください

株式会社設立の段階から税理士に相談することで、節税を考慮した資本金額の設定や、適切な決算期のアドバイスを受けることができます。
また、設立直後に提出が必要な法人設立届出書や青色申告の承認申請書などの税務上の届出を正確に行うことで、税制面での優遇措置を受けやすくなります。
会社設立前後の税務上の事務作業を任せ、経営者が本業に集中できる環境を整えるためにも、税理士の知見を活用することは非常に有効です。

まとめ

株式会社の設立には、基本事項の決定から登記まで、多くの法的な手続きが伴います。
設立までの一連の流れを正しく理解し、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。
また、設立時の判断がその後の税負担や経営に大きな影響を与えることも少なくありません。
書類作成の正確性を確保するだけでなく、将来の事業運営を見据えた基盤作りのためにも、ぜひ1度、専門家である税理士までご相談ください。